(技術資料3)温室効果ガス排出抑制資材は重金属を固着無害化するメカニズム
Q1.重金属全般にわたってそれを固定化(不溶化と言った方が良いかも知れない)できる物質はあまり無いと思われるが?
A1.下水等の汚濁水を凝集の際、以前より凝集剤として「硫酸バンド」や「ポリ塩化アルミニウム」が使用され、化学的に汚泥含有重金属を永続的に常温固定・固化する技術は従前より確立されている。カッセー工法による、重金属の固定・固化技術は前記の人為的に作られた化学合成物質で、機械的に固定・固化するものではなく、微生物が堆肥化で合成した、化学合成物質同様の腐植酸物質と、現在大気汚染物質の特に硝酸イオンが地上に降雨等に混じり希薄硝酸水溶液の形で沈着し、土の構成成分アルミナ(酸化アルミニウム)等を希薄硝酸水溶液が溶出することにより、前記人為的に合成される化学合成物質と同様の素材が揃い微生物により、化学的合成物質と同様のポリアクリルアミド重合の固定・固化が行われる。
Q2.化学結合によって重金属類を難溶性に変え、溶出してこないようにすると言うことであった。そうであれば、この形成した難溶性物質もpHの変化などで溶出することがある。したがって、溶出条件を精査する必要があるかも知れない。
A2.ポリアクリル重合では、pHの変化で再溶出することはない。
Q3.固定化したときの化学形は何でしょうか
A3.固定・固化物質の化学形は、微生物の関与により合成された物で正確なところ分りませんが、人為的に行う凝集剤や固化剤と化学形は似通っていると考えられる。微生物による形成状態は、希薄硝酸水溶液で溶出されたアルミニウムや鉄などが酸化され二価アルミニウムや二価鉄となる。これは、人為的化学合成された凝集剤の物質と同等物質である。カッセー工法の微生物による固着過程では、酸化し二価になる前の溶出アルミニウム(Al)も他の重金属等の物質を捕捉する特性を持つことから、Alが重金属を捕捉した状態で堆肥物に多く含む腐植酸がそれを挟み込みキレート結合し、植物毒素アルミニウム等を固着(一重合)する。次に、堆肥時に添加した鶏ふんの水溶性リン酸.可溶性リン酸.有機質リン酸が、リン酸アルミニウム結合又は固着(二重合)する。更に、微生物が樹木の腐食防止成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)から、不飽和脂肪酸などを作り、同じく微生物がアセトンを作り、アクリル酸と混合しバチルス菌属が胞子袋に溜めた硫酸を放出添加することでアクリルアミンが生成される。尚且つ、バチルス菌属がアクリルアミンに硫酸を放出添加することで、その硫酸が触媒作用を起こしゼリー状化する。これを、堆肥化時の発酵余熱約65℃前後で長時間煮ることにより、ポリアクリルアミド化(メタクリル樹脂)が成される。バチルス菌属は、そのメタクリル樹脂でリン酸アルミニウム結合物をポリアクリルアミド重合固着(三重合)固化する。前記意外に、微生物が自然界の鉱物や有機物を利用することから固定したときの正確な化学形は分らない。
Q4.重金属を固定化すると言われるが、雰囲気が変われば溶出する可能性は十分に考えられる。
A4.カッセーチップ堆肥化物に於いては、北海道から九州まで多くの堆肥化実績があるが再溶出したことはない。但し、現段階ではホウ素(B)を14mg/kg含む化成燐酸肥料を使用した下水汚泥に於いては、約半年後に重金属の再溶出が確認された。また、ポリマー被覆処理物では5年経過するも再溶出は見られない。このことは、凝集剤に添加されている低品質化成燐酸肥料に含有する、ホウ素がリン酸アルミニウム結合する際の障害になっているものと考えられる。なぜなら、ホウ素は低質燐鉱石(亜鉛鉱石が多く混ざっている物)より、リン酸分を多く溶出させるべく添加するものであり、リン酸アルミニウム結合物のリン酸を溶出することが考えられ、そのホウ素が重金属の再溶出原因になっていることが考えられる。このことは、凝集剤に添加する化成燐酸肥料を良質のオルトリン酸肥料に切替えることで解消される。
Q5.冬期間に行ったカッセーチップ堆肥化物の二酸化炭素濃度測定結果を見た。標本ガス中の二酸化炭素濃度が低い理由として、冬期間でチップの温度が十分に上がらず微生物の活動が不活発であるためと、チップの通気性が良いため堆肥中に生じる自然対流により発生ガスが希釈されている可能性が考えられないか。
A5.標本チップ堆積物は、「カッセー液」を添加しただけのカッセーチップであり、微生物が急速に増殖(発酵)するには養分不足が考えられるが、3週間経過後では発酵余熱温度は40℃以上を示すものであり、微生物の活動は活発化したことが窺えます。尚且つ、3週間後での発酵余熱温度が前記40℃を示すことはチップの通気性が特別良いわけではないと考える。一般的に、木質チップを堆積するチップ内が40℃前後になればチップに含むアンモニア性窒素を大気中などに生息する、亜硝酸還元菌(ニトロソモナス属)がチップ内に進入し酸化して亜硝酸にし、それを硝酸還元菌(ニトロソバクター属)が酸化して硝酸イオンとする、両菌による硝化作用が行われ好気条件下に於いては温室効果が、CO2の310倍にもなる一酸化二窒素を大気中に排出し、且つ嫌気条件下においては両菌が硝酸イオンを窒素ガス(N2)化の脱窒作用を起こすことで、その窒素ガスを唯一の窒素源としてメタン生成菌が増殖しチップ内を占有し、二酸化炭素やギ酸等を摂取しCO2やメタンなどを排出すると微生物学では言われている。このことから、チップ内の温度が40℃を超えても二酸化炭素やメタンが検出されないことは、前記の硝化作用・脱窒作用・メタン生成菌の増殖が無かったことを示すもの、温室効果ガスが排出されてないことを示すものである。
Q6.バイオマスに由来する二酸化炭素は、カーボン・ニュートラル(炭素中立)と位置付けられ、地球温暖化の負荷には計上されません。したがって、その発生量が少ないことを、ことさら強調する必要はないのでは。
A6.確かに炭素中立のCO2は、温室効果ガスに計上されません。しかし、計上されないのに稲わらの野焼や木片チップを安定型埋立最終処分場に埋め立てることが、法律で禁止されるなど環境省では廃有機物より排出される、一酸化二窒素やメタンの排出量を炭素中立のCO2換算で調査し、排出量の削減を呼びかけている。このことからしても、炭素中立だからと言って生チップのまま堆積したり、マルチング目的で敷き詰め等することでCO2の21倍も温室効果の高いメタン化して大気中に排出するなど、廃有機物に含むアンモニア性窒素も前記で述べた硝化作用でCO2より、310倍も温室効果が高い一酸化二窒素(N2O)にして大気中に排出し、温暖化を促進するなど有害な硫化水素(H2S)排出で人の死亡災害など硝酸イオンの増加で希薄硝酸水溶液が降り、地滑りによる土石流の流出で災害を拡大するなど、植物に取り込まれたCO2は炭素中立で温暖化負荷計上がなされないからと言って、適正な処理を怠ることにより前記の様な環境悪化を招くことになる。

カッセー工法連合協会



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